【高校選手権準々決勝】前橋育英×大津 東山×日体大柏

駒場で開催された全国高校サッカー選手権準々決勝2試合の感想です。

前橋育英×大津

前橋育英:4-4-2
15山本、10高足
8大久保、14徳永、19青柳、9小池
6山内、13杉山、4齋藤、3井上
1雨野

大津:4-4-2
11山下、9小林
17香山、5坂本龍、15井伊、10田原
12田辺、8碇、4野田、3坂本翼
1西

 

前橋育英 vs 大津 試合情報|第101回全国高校サッカー選手権大会|JFA.jp

 

試合開始前からまず目に付いたのは両チームの体格差。登録では両チームとも180cm以上の選手をスタメンに5人揃えていましたが、大津の方がかなり高さに分があるように見えました。その中でも一際目立つ191cmのFW小林をターゲットにロングボールを送り、サイドハーフの田原と香山が外から仕掛けるというのが前半の大津。相手にボールが渡ったとしても素早いプレスでボールを奪い返す意識が高くて、前橋育英としては前の選手に良い形でボールを届ける機会は少なめでした。

ペースを握っていた大津でしたがチャンスの数はそれほどなかったです。サイドバックはあまり上がらずにリスク管理していて、小林もポストプレーに加えて守備でもやや後ろに位置取るタスクがあったので、ゴール前で高さを生かす機会はそれほど作れませんでした。

前半の途中あたりから後半にかけては前橋育英に流れが向きました。その理由ははっきりとはわからなかったですけど、大津のやり方への慣れだったり、徳永が下りてボール保持が安定したり、大津がロースコアで時間を進めることを受け入れていたり、要因は色々あったと思います。大津はプレッシングが目立ってましたけど構えて守った時も堅いです。

前橋育英はボールを持てば小柄なアタッカー陣のテクニックがやはり高くて、大津よりも攻撃に人数をかけるので連動も見られました。ボランチの徳永は視野が広くキック精度も高くて、FW山本のポストプレーも目立っていました。

後半半ばに大津は香山に代えて7岩崎を右に投入し、田原を左に持っていきました。このタイミングで戦術変更なのか岩崎が勢い余ったのか、プレスのはめ方が変わったと思います。それで大津がボールを奪ってカウンターというところで、前橋育英の小池がファウルで止めて2枚目の警告で退場。交代が効きました。

10人になってからの前橋育英の戦いは見事で、引くことなく運動量も絶やさず、中盤でよくボールを奪っていました。結局90分でスコアは動かず、PK戦を制した大津が準決勝に駒を進めました。


東山×日体大柏

東山:4-4-2
14北村、15豊嶋
13清水、7真田、8松橋、10阪田
6仲里、3志津、4新谷、2石井
1佐藤

日体大柏:4-4-2
15オウイエ、11吉田
10古谷、7相原、6植木、9平野
17岡田、5柴田、3古金谷、2寺村
12原田

 

東山 vs 日体大柏 試合情報|第101回全国高校サッカー選手権大会|JFA.jp


ちょうど前の試合で大津が191cmのFW小林をターゲットに蹴っていましたけど、日体大柏ゴールキックスローイン以外では190cmのFWオウイエを狙うという感じではなく、FWよりはサイドへのフィードのほうが多かったです。最終ラインとボランチで繋いでから前進し、フィニッシュの局面でオウイエを生かすという意識が強めでした。とはいえ東山の守りも堅くて、それほど得点の気配はありませんでした。

むしろチャンスになっていたのはカウンター。相手セットプレーを含めて相手を自陣に引き込んでから、一気にスペースを突くという攻撃を見せており、決定機も2つ作りました。これを防いだ東山のGK佐藤は見事でした。

東山はダイレクトにゴールを目指す攻撃が序盤は多かったですが、日体大柏がラインコントロールをこまめに行って上手く守っていたと思います。それ以降はボランチの配球や阪田のドリブルからチャンスを作っていたのと、松橋の質の高いロングスローも何本かありましたが、こちらも試合を通して点が入りそうな感じはありませんでした。日体大柏がコンパクトに構えて、アタッカーにボールを入れられても引かずに素早いアプローチで防いでいた印象です。それと両チームともゴール前ではよく体を張っていたと思います。

こんな感じでどちらかというと日体大柏のほうが優勢でしたが、90分では両チームからゴールは生まれず。PK戦を制した東山が準決勝進出となりました。