【インカレ決勝】新潟医療福祉大×桐蔭横浜大

元日の国立開催となったインカレ決勝の感想です。

医大:4-4-2
9田中、10小森
24坂岸、6野開、8沼田、11オナイウ
13神田、4秋元、5二階堂、2森田
12桃井

桐蔭大:4-4-2
11寺沼、9山田
10水野、8山内、5高吉、22井出
13田中、4吉田、3中野、2羽田
1北村

 

新潟医療福祉大学 vs 桐蔭横浜大学 試合情報|MCCスポーツPresents 2022年度 第71回全日本大学サッカー選手権大会|JFA.jp

 

医大はシンプルに2トップの田中・小森に当てて、サイドのオナイウ・坂岸がドリブルで仕掛けます。特にオナイウの推進力は目を見張るものがあって、彼がボールを運んでセットプレー(スローイン含む)を獲得するというのが、チームの主要な攻撃パターンになっていました。

桐蔭大も序盤はシンプルにFWを狙うボール多め。相手が前から奪いにきていたこともあり、最終ラインの選手はボールを持つとセーフティなプレー選択をしていました。そんな感じで新医大の方がやりたいことはできている感がありましたが、高吉を中心にルーズボールを拾う回数の多かった桐蔭大のほうが、どちらかといえば優勢でした。

高吉は相手ゴールキックの空中戦で8割方は勝っていましたし、ビルドアップでも相手2トップを見て自身の立ち位置を変え、前線に効果的なパスを通していて良いアンカーだと思いました。内定先がJ3北九州なのは、彼のようなタイプの選手は意外と多くいて、上に行くためには明確な武器を持つ必要があるということかもしれないです。デュエルが鬼のように強いとか、心が整いまくってるとか。ともかく、この試合では一番印象に残る選手でした。

試合は桐蔭大がボールを持つ展開になりましたが、新医大もミドルプレスを絶やさなかったことで、それほどボールは運ばせず。ボランチの野開と沼田がCB前の危険なスペースを埋めつつ適度に前にも出て、上手く枚数の帳尻を合わせていたと思います。そんな感じで膠着気味でしたが、新医大がセットプレー崩れから田中のゴールで先制し、桐蔭大も右クロスから最後は寺沼が押し込んで同点。2点とも「シュートを撃てば何かが起こる」という感じのゴールで、オナイウのロングシュート、山田のオーバーヘッドシュートがゴールに繋がりました。

その後、前半のうちに新医大がロングスローから勝ち越し。青森山田出身の神田が投げて青森山田出身の二階堂が決めるという青森山田兵法。良い意味で弱者の戦い方をしていました。

後半も新医大が大きなチャンスを与えないまま時間を進めましたが、桐蔭大が7笠井を右サイドに投入したあたりから、新医大の重心が少し下がりました。桐蔭大が配置を少し変えたのか、新医大の運動量が落ちてきたのか、複合的なものなのかは分かりませんでしたが、新医大の左サイドハーフ坂岸が明らかに後ろに引っ張られて全体的に後ろに重くなりました。それによりフリーになった桐蔭大の右CB中野のクロスから、最後は笠井が決めて同点。坂岸が最終ラインに吸収される形というのは前半から見せていましたけど、後半途中までは相手の右奥をある程度ぼかして見ていたと思うので、それを続けなかった理由は外から観る分にはわかりませんでした。桐蔭大に押し下げられたというよりは、突然得たスペースを桐蔭大が生かしたように映りました。

同点に追いつかれてからは新医大が今まであまりなかった地上戦で崩す姿勢も見せましたが、ゴールに迫るには至らず。後半ラストプレーで桐蔭大のエース山田がドリブルからミドルシュートを決めて決着。エースがエースたる所以を示した桐蔭横浜大が、劇的な優勝を飾りました。