【高円宮杯U-15 準決勝】柏×広島 神戸×C大阪

味フィ西が丘で開催された高円宮杯U-15準決勝2試合の感想です。
昨年末に観てから2週間経ちましたが感想を残すことにしました。今年は現地で見た試合については軽めに感想記事を上げていこうと思います。

柏レイソルU-15 × サンフレッチェ広島ジュニアユース

柏:4-3-1-2
15澤井、11鹿住
24加茂
6安倍、10廣岡、7沼端
13長澤、5栗島、23上原、4川本
1ノグチ

広島:4-4-2
11野村、9土井川
28原、30名越、17徳山、 8小林
6児玉、4野崎、5林、2船浪
1高井

 

柏レイソルU-15 vs サンフレッチェ広島F.Cジュニアユース 試合情報|高円宮杯 JFA 第34回全日本U-15サッカー選手権大会|JFA.jp

 

柏アカデミーといえば4-1-4-1のポゼッションスタイルですが、近年は配置が柔軟になってきてるみたいです。このチームは中盤が菱形の割と珍しいシステムを使っていました。とはいえGK(ノグチ)とアンカー(廣岡)に優秀な選手がいたり、左CB(栗島)と左SB(長澤)にちゃんと左利きの選手を置いていたりと、伝統のタレントは健在といったところ。

初見なのでこのチームが普段どんな配置でやってるかは知らないですけど、この試合に関しては前線で幅を取る選手がいないというのは気になりました。前から奪いに来る広島に対して、サイドにボールを届ける対象がいないことで苦労しているように見えました。前で時間を作れた時やプレスを交わして相手の足を止めた時にはサイドバック(特に左の長澤)が上がってチャンスになっていましたし、後半に入ってからはロングボールでFWを走らせる機会も増えてきたので、この回数をもっと増やせると良かったと思います。

一方の広島はフラットな4-4-2で、ボランチは名越が前、徳山が後ろのことが多かったです。後半からはサイドハーフの小林と原が左右を交代。終始試合を優位に進めていて、後半立ち上がりの小林のゴールを守り切って勝利しました。

目立ったのは前線からのプレッシング。後ろから繋ぎたい柏に対して、試合を通して積極的な守りでボールを奪い、スピードのあるアタッカーたちの連動でチャンスを作っていました。それと、柏のビルドアップでキーマンとなるのはアンカーの廣岡だったと思うのですが、ボランチサイドハーフが自分のポジションを捨てて出ていくことで、彼からの攻撃を最小限に抑えていたと思います。

広島は良かった選手を挙げるときりがないですけど、タレントとして面白いと思ったのはドリブルの得意なボランチ徳山、攻守にプレー判断が良かったCB野崎、鋭いフィードを何本か蹴っていたCB林です。何となく、彼らがこのチームの生命線に見えました。

ということで1-0で勝利した広島が決勝進出。


ヴィッセル神戸U-15 × セレッソ大阪U-15

神戸:4-3-3
8瀬口、9渡辺、11大西
49里見、5谷口、10藤本
14森岡、3島、26西村、6西川
1亀田

C大阪:4-4-2
11小野田、9安田
10伏見、8平山、15金、6増田
2刈田、3上山、4藤田、7清水
1イシボウ

 

ヴィッセル神戸U-15 vs セレッソ大阪U-15 試合情報|高円宮杯 JFA 第34回全日本U-15サッカー選手権大会|JFA.jp

 

これまでの3試合をすべて3得点以上かつ無失点で勝ち上がってきた神戸が、この試合でも圧倒的な強さを見せました。(結局この試合は3-0、決勝の広島戦も3-0で勝利。)

神戸はリージョやイニエスタが来たくらいからアカデミーにもスペイン人の指導者が入っていたと思いますけど、その影響がピッチにも反映されていました。

GK+2CB+アンカーによる低い位置からのビルドアップが軸で、4人とも上手いです。インサイドハーフがそれほど下がらずに相手MFを引っ張ることで、後ろのビルドアップを間接的にサポートしていたというのもあります。

こうやって配置の有利を取って相手を動かしてから、主に後方からのロングパスでチャンスを作っていました。CFの渡辺は強さがあってボールが収まり、右ウイングの大西はめちゃくちゃ速くて突破力もあるので、シンプルに彼らを生かす攻撃というのが脅威でした。さらには左CB島のドリブルだったり左SB森岡のロングシュート(3点目)だったりと、他にもさまざまな打開手段を持っていて本当に強いチームだと思いました。

そんな神戸の中でもやはり最もインパクトがあったのは1年生の里見です。周りの3年生と遜色ないどころか水準以上の技術・フィジカル・判断に加え、勘所を押さえたフリーランニングも見せていて、この試合では前半に1得点1アシストを記録しました。4月生まれということもあり早熟感も否めませんが、とんでもない選手が出てきたという印象です。

C大阪のほうは先制点を奪われるまではいくつかチャンスを作っていたので別の展開もあり得ましたが、正直なところ守り方の意図はわからなかったです(私の観る力が足りないだけです)。相手のサイドバックにボールを持たせたところからスイッチを入れたそうには見えましたけど、サイドでも抑えたい中央でも交わされていた印象なので、行くなら行く、引くなら引くではっきり守った方がいいようには感じました。

とはいえ、この大会で神戸は色んな対策を打たれたと思いますがスコアを見るとすべての試合で完勝しているので、どう守っても抑えられないのかもしれません。そんな感じで神戸がこの試合を制し、2日後の決勝でも広島を3-0で破って優勝しました。