スプリントの定義変更によりJリーグのスプリント回数が大幅に減少

 

2023シーズンより、Jリーグにおけるスプリントの定義が変更されました。

時速25km以上のスピードで1秒以上走った回数
J STATS | 公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ) (jleague.jp)

昨シーズンまでは「時速24km以上のスピードで1秒以上走った回数」だったので、これまでスプリントとして記録されていた24~24.99kmの走りの回数分だけ、スプリント回数が減少することになります。変更の理由は公表されていないと思いますが、カタールW杯でFIFAが「時速25km以上の走行距離」を公開していたので、世界的に時速25kmが基準になっていくのかもしれません。

昨季のデータと比較してみると、J1全体での1チームの1試合平均が177回だったのに対し、今季の開幕節は平均145回と、1チームあたり32回減少しています。

個人でも今季の開幕戦最多は1位がマルシーニョ(川崎)35回、2位が中村帆高(FC東京)32回、3位が大久保智明(浦和)川村拓夢(広島)29回。昨季まではほとんどの試合で30回超えの選手がいたのですが、今節はわずか2人となりました。

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走行に関する他のデータに目を向けてみると、走行距離では昨季J1全体での1チームの1試合平均が112.928kmだったに対し、今季の開幕節は118.179kmと約5kmの増加。暑さがなく疲労も少ない時期という要因もありますが、戦術的にも走る方向に変化しているのかもしれません。技術的に計測の精度が上がった可能性もあります。

個人1位は13.75km西村拓真(横浜FM)で、これは昨季のJ1全体でも2位に相当する記録。ちなみに昨季の1~4位はすべて西村となっており、昨季33節から今季1節にかけて3節連続で西村がトップです。今節の個人2位は13.54km河原創(鳥栖)で、これも1~4位の西村に次ぐ昨季5位に相当する好記録。

逆に数値が伸びなかったのが最高速度。1位は細谷真大(柏)の時速34.2km、2位は石原広教(湘南)・永井謙佑(名古屋)・ルキアン(福岡)の時速34.1km。細谷の記録は昨季の全体46位に相当し、時速35.0km以上を記録した選手が11人いた昨季からは大幅に数値が下がっています。まだ1節かつ寒い時期とはいえ違和感のある下がり方なので、こちらも計測の精度が上がったのかもしれません。ちなみに昨季のトップは意外にも山岸祐也(福岡)で時速35.7kmでした。

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以上です。面白いデータがあったらまた紹介しようと思います。